ひとは思いこみでできている

思うこと 気づいたこと なんでも書く

かこさとしさん

絵本作家の加古里子かこさとし)さんが亡くなりました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180507-00010005-huffpost-soci

http://kakosatoshi.jp/news/2018年5月7日-お知らせ/

 

幼い頃に出会って、40歳を過ぎてもたまに手に取る加古さんの本たち。最近も加古さんのエッセイを読んだところでした。

楽しい絵本が多くて、有名なものだと『だるまちゃんとてんぐちゃん』や『かわ』など、たくさんたくさんあります。

『とこちゃんはどこ』(作・松岡享子、絵・加古里子)も、人混みの中のとこちゃんをワクワクしながら探したものです。

学生の頃に『かわ』を読みました。普通は「本」なのでページをめくって見ていきますが、本ではなく、長〜い一枚の続き絵として見た時のおどろき!(そんな展覧会があったのです) 川が流れて海にたどりつくまでを俯瞰して見ていくおもしろさ。

福音館書店から「絵巻じたて」の『かわ』も出ているようです)

自然科学の分野の絵本も多く(それもそのはず、東京大学工学部ご出身の工学博士)、大判の絵本『宇宙』などの科学シリーズもわかりやすくておもしろい! 描き込まれている情報量がとても多くて、1ページ読むのも力がかかります。でもそれだけ満足感もあります。大人にだって楽しめる絵本です。

加古さんの本だけでなく、古典といわれるような絵本を集めて持っていたのに、引越しなどでブックオフに出してしまったことが悔やまれます。心の栄養になっていたのになぁ。

しかし一度処分して、でもどうしても手元に置いておきたくてまた買った「ことばのべんきょう・くまちゃんシリーズ」は、眠る前や、何の気なしにボーッとしたい時に眺める小さな絵本です。

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ストーリーを追うものではなくて、くまちゃん一家の朝から夜まで(もしくは春から冬まで、あいさつの言葉たち、…)、使うものの名前が描かれている“イラスト集”のような雰囲気です。

たとえば、朝起きて着替えるもの…「まくら」「ふとん」から出て、「したぎ」「ズボン」「セーター」「うわぎ」「ソックス」「ぼうし」…というものの名前ひとつひとつに、加古さんの柔らかく、でもリアルな絵が描かれています。

…と、こう書いても「?」だと思います。私にはこの魅力を伝えられる言葉がない!

ないのですが、それでも好きな部分をご紹介すると、『くまちゃんのいちにち』の朝ごはんの絵(のり、大根がリアル!)、かいものの八百屋の野菜、魚屋の魚、夕食の豪華さ(笑)!

見応えがあって、じーっと見てしまいます。食べものの絵ばかり紹介していますが、子どもの遊びシーンも楽しいです。

『くまちゃんのいちねん』では、季節ごとのイベントだけでなく、その季節の草花の絵が繊細で優しく、でもリアルです。

…しばしばリアルと書いておりますが、写真のようなリアルさではないです。もののかたち、色合い、大きさ、など、もうこれしかないという感じで、詳細かつ簡略かつわかりやすい! でも堅苦しくない。

加古さんの絵のタッチは柔らかくやさしい。あたたかい。楽しくなる。わくわくする。笑顔になる。この絵の中に入ってみたい。入ってみんなと一緒に思いきり走りまわって遊びたい。笑いたい。…というような感じなのです。

数多くのすてきなすてきな絵本に感謝します!