今だから思えること
二十歳のころ、未来がたくさんありすぎて
得体の知れない社会に出るのが怖かった
茫洋としてなにがあるかわからない未来が怖くて
まだなにものにもなっていない素のままで
踏み出していくのは本当に怖かった
失敗する勇気も持っていなかったし
傷つくだろうことがわかってたから
今
昔のように失敗を怖れて経験してこなかったことがたくさんあるけれど
それでもそうそう死にはしないことはわかったから
あいかわらずトライすることに二の足は踏むけれど
怖さは少しずつ薄れてきた
二十歳のころ、未来は恐ろしいものだと恐怖していたから
傷つくことがたくさん起こった
これは、自分が招いたことでもあるね
でも仕方ないね
まだなにも知らなかったんだから
今
なにものにもなれなかったけれど
二十歳のころよりもよほど自由だ
ようやく
自分のゆるめかたもちょっとは見つけられて
好きなものも嫌いなものもぜんぶじゃないけど知っている
自分を知る意識や行動は
まったく無駄じゃなかった
自分を知ることで
自分の枷から外れることもできる
自分のことを大事だと思うこともできる
未来はもうたくさんはないから
かえって自分の身体を大事に扱おうと思える
今まで半世紀近くいっときも休まず頑張ってくれている身体
要らぬことも思い巡らせるけど
飽きずにずっと付き合ってきた頭
私の代わりはいない
私が私を認めてあげるよ
私は私以外になれないから
仕方ないもんね