ひとは思いこみでできている

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泣くこと

 

冬くらいまで、勝手に泣けることがあった。

胸がぐっとなってノドもギュッとつぶれたようになって溢れる涙と、パラパラ勝手に流れる涙とあって、どちらかというと勝手に流れるものが多い。わんわん泣くんじゃないんだ。

昔、化粧品(SK-II)のCMで桃井かおりさんが鏡に向かって「よし!泣くぞ」って言ってお風呂に入る、というようなシーンがあって、その時すごく共感したけど、同じ思いの女性は多かったと思う。

外(社会)へ一歩出たら、自分の身を守るのに精一杯で、攻撃、防御、息つく暇もない。自分の弱いところはおいそれと出せない、女性ならではの心情をうまくあらわしてるなぁととても感心したCMだった。あぁ、ここにもがんばってる女性がいる、一緒だ、と。

 

ものごころついてから自然と泣けなくなって、さらに働き始めてからはCMと同じように「よし泣くぞ!」と決意しないと泣けないし、明日が休みで目が腫れても気にならない時でないと、泣けなくなった。

今は歳を経て、自意識過剰さも収まり、人にどんなふうに見られても「ま、しゃーないか、こんな私だし」と、諦め半分開き直り半分で気にしないようになってきたけれど、

今度は「泣く」ということを忘れたか、感性が鈍くなったかで、泣かなくなっていった。

さいころって、手放しで泣いていたかな?

奔放な妹の、甘えるように泣き、機嫌が悪いと泣き、思い通りにならないと泣く姿をうらやましく思っていたくらいだから、あまり親の前では泣かなかったと思う。泣くことは恥ずかしいと思って、こらえていたことは覚えている。

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最近の涙は「こわい」「悲しい」といった感情が湧いて、たったひとりでうずくまるような気持ちになって、そして泣いたからといってスッキリもしなくて「また泣いてしまった…」と余計に落ち込む。

自分の世界に入り込んで、脳内で作った「人の目」それから「自分の目」を気にして怖がっている。

自分が自分の味方ではないんだ。責める対象なんだ。

 

そうした状態が冬くらいまでで、今はまた泣けない。

感情が鈍麻したような、怖がっている自分が奥の方へ隠れて震えているような、そういった感覚がある。

泣けたら少しは楽になるだろうに、と思うけれど。