本屋に泊まる
こんにちは。
この間、「ジュンク堂に泊まる」っていうイベント企画があったのです。東京・池袋のジュンク堂がそんな募集をしたのです。そのニュースを見た時、「うわぁ〜うらやましい〜」と目玉と心臓が飛び出るような思いでした。
「本屋に泊まる」なんて!そんなことが実現するなんて!夢のようだ!すてき!すごすぎる!(鼻息荒いですが、応募してません)
まさに夢のようなこと。
E.L.カニグズバーグの児童文学『クローディアの秘密』を思い出しました。そして、高野文子の『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』という漫画作品も。
『クローディアの秘密』では、家出したクローディアが向かった先はなんと「メトロポリタン美術館」!
『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』での舞台は「デパート」。夜のデパートで縦横無尽にスパイと戦う冒険活劇です。
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お客さんが誰もいなくなった本屋さんで夜を過ごす。
閉館して薄暗い美術館で、世界中の絵や彫刻を誰に遠慮することなく眺める。
夜のデパートの中も、あちこちに着てみたい服や靴、アクセサリーや、はたまたベッドやソファ、そしていろいろな産地からやってきたたくさんの野菜やお肉、お酒、スイーツ!
どれもこれも、魅力的です。まったく眠れませんね。いや、眠ってられませんね!
ドキドキ、ワクワク、キラキラした、誰も知らない秘密の世界にいる感覚。
もちろんこのワクワク感は、誰もいない、というのがポイントですよね。普段たくさんの人が行き交う場所が、閉まるとシーンと静かな暗い空間に変わる。聞こえるのは警備員のコツコツという靴音くらい。自分の息もひそやかに、夜の静けさに合わせている感じ。なにかが起こりそうな、胸が高鳴るイメージ。もう想像するだけで楽しくなります。
本屋さん、美術館、デパート。どれか選べるなら、やっぱり本屋さんかなぁ。(しかもジュンク堂ですし)
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ジュンク堂に泊まった方は、どんな心持ちだったかなぁ。たくさん読めたかなぁ。
読みたい本があんなにあるのに、でも時間は有限で、一晩で全部読むことなんてとうていできやしない。
だから、本を思う存分読めるという自由をもらった、それだけで満足なような気がします。
ちなみにジュンク堂さんの今回の募集は「寝袋付き」だったんです。心憎い演出ですね。